トップ わたしと庭 仲間たち(?) 木々たち 草花たち 庭アルバム 堆肥作り 訪問者 路傍市
 2009(平成21)年、庭から出る雑草、花後の刈り取った草花、落葉樹の落葉などが、とみに多くなってきました。夫は、兼業農家で知人のHさんの堆肥作りを手伝っているうち、生来の好奇心に火が点いて、庭から出るものを素材に堆肥作りをはじめました。
 Hさんの堆肥作りは、稲ワラ、籾ガラ、米ヌカが素材で、人里はなれた広い空間で行う、つまり「プロの大規模」です。それに対して、夫のは、庭から出るものゴチャゴチャすべてを、狭い中で、近所が目と鼻先の距離にある最悪の地理で細々と行う「アマの小規模」です。
 以下は、夫のレポートです.
●堆肥塚
 インターネットを駆使して集めた情報をもとに、限られたスペースで使える「堆肥塚」を案出。底面1m四方の角に4本の角材を鉛直に立て、周り3面を、板厚12mm、板幅80mmの板材を使って20mmの隙間を空けながら水平にスノコ状に張ります、底面も同じ板材を10mm間隔で張り詰めます。残りの1面は、堆肥材料を積み込んだり、できた堆肥を積み出すための出し入れ口ですが、その都度、ほかの3面と同じ要領で張ったり、はがしたりします。雨除けにトタン屋根をつけました。これが1号です。
 その後、近所の市民農園のようなところの耕作者の葉物を処理するところとなり、少し床面積の小さい2号、床面積は同じで、高さが2mの3号を製作しました。現在は、2号は倉庫に使われています。
●材料と調整
 材料は、緑ものと茶ものという考え方で整理しています。緑ものは、窒素分の多いもの、葉っぱや茎です、茶ものは、炭素分の多いもの、落葉樹の枯葉です。窒素分:炭素分=1:(25~30)がベストのようですが、緑ものの中の炭素分が分からないので、夫は、素材を緑もの:茶もの=1:(3~4)ぐらいで混ぜ合わせています。
 当初は、雑草や草花はそのまま詰めていたのですが、しばらくして8cm長程度にハサミで切りそろえるようになりました。堆肥塚の大きさから、考えた長さです。詰め込みむ量と空気層の確保のためと一応「理屈」はつけていますが、果たして・・・。緑ものは、8cm長に切った後、十分乾燥させています。その間に水分と窒素分は大きく失われていると推測しています。
 最寄のコイン精米機から、いただいた米ヌカを用意します(2リットルの袋4つ/回)。
 台所から出る生ゴミは、バナナの皮を除いて使いません、理由は、決定的な水分の多さです。乾かして使う方法も試みましたが、乾く前に、腐敗が始まってしまうので避けています。生ゴミではないのですが、水草のセリを材料に使って腐敗を発生させてしまい閉口した経験から、水分には注意しています。
 根や木の枝は、十分に乾燥させて、近隣に迷惑にならない程度に焼却しています。その焼却灰は、焼畑農法よろしく庭に返しています。
●積み込み
 先の比で混ぜ合わせたものを両手で挟んで堆肥塚の中へ並べていきます。高さは10~15cmぐらいでしょうか、1段積み終わったら、そこに米ヌカを5掴みほどふりかけます。
 最後は、水です、そばの用水から水中ポンプで吸い上げた水を30秒ほど(5リットルぐらい)、ホースでまんべんなく散水します。60~65%の水分量が決め手だと言われていますが、よく分かりません。繰り返しているうちに、これぐらいと適当に決めています。少なすぎると発酵せず、多すぎると腐敗菌の活動領域です。多すぎないように注意します。そして、次の段です、この繰り返しです。出し入れ口は、段の高さに応じてスノコを張っていきます。
●保温と雨除け

 堆肥塚は、トタン屋根がついていますので、斜め方向からの吹降りでない限り雨除けはされています。多少の雨は、かかってもいいと思っています。「発酵熱を保温すべきかどうか」については、規模の大きいほど失敗が少ない、好結果が得られていることから、天面には、風で飛ばされない程度のオモシをおいて、肥料の空き袋を敷いて、熱の放散を防いでいます。発酵菌は、好気性なので空気の出入りを遮断しない程度です。
●発酵
 2010(平成22)年2月10日~3月8日まで、ほぼ1ケ月近く天面中央深さ10cmのところの温度を計測した例をしめします。温度域の異なる発酵菌がいるようです。どれが支配的になるかで、温度は変わっているように思えます。最近も温度計は使いますが、水分調整の具合を確認するためと切返しの時期を決めるために使っているだけです。
●切返し
 出し入れ口を開いて、土面に敷いたシートの上に全部広げて積み直しします。水をあらたに加えることもあれば、米ヌカを加えることもあります。そのまま、空気にさらして積み直すだけのこともあります。切返さないで、そのまま放置することもあります。
●完成
 約3ケ月を目安にしています。2つの塚で年8回ぐらい、作ります。高さ1mの積み込み量が1㎥ですが、ほぼ1/2に減容しますので、1回あたり、材料の項の写真のカゴ(約45リットル)で10カゴの堆肥ができあがります。

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